150年以上続くフリードリッヒ・オットー・シュミット社では、建築設計、内装デザイン・施工、家具製作まで行い、新築、新規製品のみならず歴史的建造物および家具の修復や複製も手掛けています。
私は、その時代より以前からから続く伝統的な椅子張りの技術を学びにウィーンへ渡りました。
現在、流通している量産品の椅子とは材料が違いそのため作り方も違います。
伝統的な椅子張りの技法では完成までの時間がかかるために、椅子も高価なものになり、そのような椅子の需要は少ない為に、腕の良い職人さんが居てもその技術を発揮する環境がありません。ということは、次の世代を担う職人も、伝統的な技術を学ぶ環境が無いのです。
でも、日本に歴史のある椅子はどこかに残されているのに、そのような椅子を直せる職人が居なくなるのは悲しいと思い、ただ1回の体験だけではなく身体で覚える事のできる環境を求めウィーンへ修行に行きました。
国や言葉が違えど、技術の基本や要所、ものつくりに対する心は同じだという事に感動しました。
もちろん日本では経験の出来ない仕事も出来、覚えたかった技術を取得し、帰国する事が出来ました。
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